「最近、東京の家賃って上がりすぎじゃない?」
街を歩いていても、賃貸サイトを眺めていても、誰もが一度は感じる違和感。気のせいではありません。この5年で、東京23区の家賃は本当に「約1.5倍」になっていました。
LIFULL HOME'Sが毎月公開している「マーケットレポート」のデータ(2020-01〜2026-03、75ヶ月分)を使って、東京の家賃推移を徹底的に可視化しました。
東京23区の単身者向け物件の平均賃料推移はこちら。
| エリア | 2020年1月 | 直近月 | 上昇額 | 上昇率 |
|---|---|---|---|---|
| 全域 | 81,092円 | 123,502円 | +42,410円 | +52% |
| 23区 | 93,865円 | 138,092円 | +44,227円 | +47% |
| 都心6区 | 121,656円 | 162,591円 | +40,935円 | +34% |
| 23区その他 | 86,288円 | 130,121円 | +43,833円 | +51% |
| 都下 | 55,130円 | 64,592円 | +9,462円 | +17% |
23区の単身者向け平均賃料は、93,865円から138,092円へ。月4円台の値上がりです。同じ部屋に住み続けても、5年前と比べて生活コストが大幅に重くなっている計算になります。
「家賃が高い気がする」は、気がするではなく、事実でした。
ここからが、いちばん驚いた発見です。「家賃が上がっているのは都心だけ」と思っていませんか? むしろ逆でした。
直近1年間の前年同月比を比較すると:
| エリア | 前年同月比 |
|---|---|
| 都心6区 | +10.7% |
| 23区その他 | +21.8% |
23区その他の上昇率は、都心6区を大きく上回っています。これは何を意味するのか。
おそらく、こういうメカニズムです:
都心の高騰が、周辺区まで連鎖しているということです。
「23区が無理なら、もう都下しかない」――そう考える人が増えれば、当然その先も上がります。
都下の前年同月比は +8.8%。2020〜2022年は前年比+1〜2%程度で安定していたのに、2024年あたりから明確に加速しています。
つまり、家賃高騰は 「都心 → 23区周辺 → 都下」 と、波のように広がっている最中ということ。「郊外に逃げれば安心」とも言いにくくなってきました。
単身よりも、家族向け物件のほうが上昇は激しい。
23区のファミリー向け平均賃料:
同じ部屋で住み続けるだけで、家計の重みがまったく違う水準になっています。子育て世帯にとっては「住宅費に圧迫されて、教育費や貯蓄に回らない」という現実的な問題に直結します。
専門家の分析や報道を整理すると、要因はおおむね以下のあたりに集約されます:
特に2023年以降の急騰は、これらが複合的に同時進行していることが背景にあります。
2020〜2022年のような下落局面は、コロナという特殊事情があってのこと。直近2年は下落の兆しが見えません。待つほど高くなる可能性が高いのが現状です。
「都心は高い、周辺は安い」はもはや過去の話。周辺区の上昇率が都心を超えているので、「とりあえず周辺」だけでは安心できません。具体的なエリアごとの坪単価を比較したうえで判断するのがおすすめです。
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「肌感」を、データはきっちり裏付けてくれました。このサイトのグラフは、毎月最新データで自動更新しています。引き続き定点観測していきます。