結論:AIアプリでも、AIを動かさない選択肢がある。
- カード78枚、読み解き文は468通り
- 外部への通信は0回、APIキーも0個
- 月々のランニングコストは0円
この記事は、Claude Code でタロット占いアプリを作った記録です。プログラミング経験のない人が「AIで何か作りたい」と思ったときに、最初にぶつかる勘違いを1つ崩します。
AIを使ったアプリって、使うたびにお金がかかるんじゃないの?
「作るとき」にAIを使うのと、「動かすとき」にAIを使うのは別です。今回は前者だけにしました。だから0円です。
作ったもの
「宵星タロット」という、ブラウザで動くタロット占いです。
大アルカナ22枚、小アルカナ56枚。正位置と逆位置があるので、意味の組み合わせは156通りです。
勘違いしていたこと
最初、私はこう考えていました。
カードを引く
ランダムで3枚選ぶ
AIに送る
「このカードの組み合わせを読み解いて」と頼む
結果を表示する
返ってきた文章を画面に出す
自然な発想だと思います。実際、多くのAIアプリはこの作りです。
でも、この方法には3つの問題がありました。
- 使われるほどお金がかかる:1回占うたびにAPIの利用料が発生する
- 同じカードでも毎回違うことを言う:昨日と今日で答えが変わると、占いとして信用できない
- キー管理の責任が増える:APIキーを預かる以上、漏れたときの責任が発生する
3つ目が特に重かったです。私は非エンジニアです。鍵を預かる自信がありませんでした。
選んだ方法
文章はすべて、作るときに書き切りました。
動かすときにAIは1度も呼びません。カードを引いたら、あらかじめ用意した文を組み合わせて表示するだけです。
Claude Code の役割は「文章を書く係」から「文章を書いておく係」に変わりました。同じAIの使い方でも、タイミングをずらすだけで性質がまったく変わります。
過去・現在・未来で語り口を分けた理由
ここからが、いちばん時間をかけた部分です。
最初の版では、3枚とも同じ調子の文章が並びました。読んでみて、すぐに気持ち悪さを感じました。
なんで気持ち悪いの?
「型にはめられている」のが見えてしまうからです。3つ並ぶと、人はすぐパターンに気づきます。
占いは、読む人が自分の話として受け取れて初めて成立します。文の形が透けて見えた瞬間、それはただの表になります。
だから、位置ごとに時制と語り口を変えました。
- 過去:振り返る言い方にする。すでに終わったこととして落ち着いて語る
- 現在:断定を弱める。いま動いている最中なので、決めつけない
- 未来:方向だけ示す。約束はしない
同じキーワードでも、語り口が違えば別の文章として読めます。3つ並べたときの「並んでいる感じ」が消えました。
これは占いの話に見えて、実は文章全般の話です。同じ構成の段落を3つ並べると、読み手は中身より形に気づきます。
逆位置を「悪い意味」にしなかった
もう1つ決めたことがあります。
逆位置を、悪い知らせにしないこと。
一般的なタロットでは、逆位置は否定的に読まれることが多いです。でも私はそうしませんでした。逆位置は「まだ整っていない」という合図として書いています。
理由は単純です。占いを開く人は、たいてい何かに迷っています。そこに追い打ちをかけたくありませんでした。
それって、当たらない占いにならない?
当てにいくものではないと考えました。読んだあとに、少しだけ前を向ける。それが機能だと決めました。
「何を作るか」より「何をしないか」を決めるほうが、時間がかかりました。
動作確認は自分でやらせた
アプリの中に、自己テストを16項目仕込んであります。
データの検算
大アルカナ22枚・小アルカナ56枚が揃っているか
偏りの確認
3枚引きを1000回して、同じカードが重複しないか
出方の確認
逆位置の出現率が50%前後に収まっているか
実測で、逆位置の出現率は 50.1% でした。1000回引いて、3枚の中に同じカードが混ざったケースは 0件 です。
自分でテストを書けなくても、「何が正しい状態か」を日本語で説明できれば、Claude Code がテストの形にしてくれます。
学んだ3つのこと
- AIアプリ=AIを常時動かす、ではない。作るときだけ使えば、運用費は0円になる
- 同じ形の文章を並べると、中身より形に気づかれる。位置ごとに語り口を変えるだけで印象が変わる
- 何をしないかを先に決めると、迷いが減る。「逆位置で不安を煽らない」と決めた時点で、書く文章が全部決まった
今後
いまは無料で公開しています。使ってくれる人が増えたら、カードの解説をもう少し厚くしたいです。
ただ、AIを毎回呼ぶ作りに変えるつもりはありません。0円で動き続けることが、このアプリの一番の強みだと思っています。
最後に:自分の思い
正直に言うと、途中で何度も「AIに書かせたほうが早い」と思いました。
468通りの文章を先に用意するのは、地味で、時間がかかります。毎回AIに頼めば、その作業は消えます。
それでも先に書き切ったのは、自分が読んで安心できる文章だけを置いておきたかったからです。AIに任せると、その瞬間だけは良く見えても、何が出るかは分かりません。誰かが弱っているときに開くものに、それは使えませんでした。
伝えたいことは1つだけ。
AIを使うかどうかより、どこで使うかを決めるほうが大事です。
作るときに使い切れば、あとはずっと0円で、静かに動き続けてくれます。
実際に触ってみる
無料で、登録もいりません。
https://yoiboshi-tarot.search-cc-log.workers.dev
この記事も Claude Code に書いてもらいました。「結論先行・一文60文字以内・数字を使う・誰向けか明確・自分の思いで締める」の5点を意識した版です。
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